筋トレで鍛えた部分が痛い・・・ということは、よくある話です。
しかし、一口に痛いといっても、その原因と症状は様々です。
また、対処法も違います。
そこで今回は、太ももが痛い場合の症状の見分け方と対処法をご紹介します。
筋トレで鍛えた太ももが痛い・・・考えられる理由
筋トレで鍛えた太ももが痛い場合、考えられる理由はいくつかあります。
まず一つ目が筋肉痛です。
筋トレとは筋肉にダメージを与える行為です。
ダメージを負った筋肉は軽い炎症を起こします。
そのため、筋肉が痛いと感じるのは当然のことです。
むしろ筋肉痛にならないような筋トレでは筋肉の発達は望めません。
二つ目が肉離れです。
筋肉は筋繊維という細いひも状の繊維の束です。
この繊維のうちのいくつかが切れてしまうのが肉離れです。
プロスポーツ選手に多いケガです。
特に太ももの後ろ側にあるハムストリングスという筋肉は肉離れしやすい箇所です。
三つ目が筋断裂です。
肉離れは何本かある筋繊維のうちの一部が切れた状態ですが、筋断裂はすべての筋繊維が切れてしまった状態をいいます。
当然、肉離れよりも症状は重くなります。
四つ目が骨折です。
これは筋肉ではなく、骨のケガということになります。
なんらかの理由(長期間にわたって酷使した等)で脆くなっていた骨に、筋トレによって負荷がかかり骨折してしまうことが稀にあります。
この四つが「鍛えた部分が痛い」と感じる主な症状です。
残念ながら一つ目の筋肉痛以外は、いわゆるケガであって、治療が必要となります。
太ももが痛い時の症状の見分け方
太ももが痛い理由が筋肉痛によるものなのか、それとも肉離れや筋断裂によるものなのかは、とても気になるところですよね。
そこで、簡易的ではありますが、見分け方をご紹介します。
筋トレ中や筋トレ直後に痛くなるのは筋肉痛ではない!
まず筋肉痛の場合ですが、筋トレ中や筋トレ直後には痛いとは感じません。
筋肉のハリは感じていると思いますが、だからといってすぐに痛いということはないはずです。
大抵の場合は、一晩経って朝起きたら痛いと感じるようになります。
(運動不足の人は痛みがでるまでに時間がかかることもあります)
つまり、筋トレ中又は筋トレ直後に太ももが痛いと感じたら、それはケガ、もしくはケガをする一歩手前の可能性が極めて高いということになります。
また、筋トレ中にケガをした瞬間は「ピリッ」とした痛みが走ることがほとんどです。
これは日ごろ鍛える機会が少ない内転筋のトレーニング中によくおこります。
この「ピリッ」という感覚があったら、すぐに筋トレを中止してくださいね!
筋肉痛なら数日~1週間ほどで痛みがとれる
筋肉痛とは筋繊維の軽い炎症です。
なので、日ごろから鍛えている人なら1~2日ほどで、運動不足の人でも4~5日もあれば太ももが痛いという感覚はなくなるはずです。
一方、1週間以上も痛いようだと、筋肉痛とは言いません。
痛みの程度にもよりますが、軽い肉離れと考えるべきでしょう。
この軽い肉離れは前述のような「ピリッ」という感覚がない場合があります。
もしくは筋トレに集中しすぎていて、その感覚に気付かないということもあり得ます。
なので、1週間以上も筋肉が痛いのならば、治療が必要だと思った方が良いでしょう。
歩けるかどうか
太ももが筋肉痛の時に歩くのはおっくうですよね。
普段よりも足をあげずに歩きたくなると思います。
しかし、それは「足をあげずに歩く方が楽」というだけであって、やろうと思えば足をあげて普段通りに歩くこともできるはずです。
一方、肉離れや筋断裂の場合は、足を上げるという行為自体が痛くて我慢できません。
肉離れを起こしたスポーツ選手が翌日に松葉杖を使っているのがその例です。
「足が上がるから大丈夫」と決めつけるのは危険ですが、「足が上がらない」という状態であれば、それは筋肉痛ではないと考えるべきでしょう。
痛みの症状を緩和するにはアイシング!
正しい筋トレとは筋肉痛になるくらいまで筋肉を追い込むことです。
つまり、筋肉痛であれ肉離れであれ、痛いという感覚は翌日にはやってくることになります。
その痛みが快感という人もいますが、多くの人はできるだけ痛みは少ない方が良いと思うことでしょう。
まして肉離れや筋断裂の可能性があるのであれば、尚更早めにケアしておきたいですよね。
そこでおすすめなのが、アイシングです。
非常に古典的な方法ですが、筋肉系のケガ、炎症にはもっとも効果の高い治療法です。
筋肉系のケガ・炎症では、患部が熱をもちます。
その熱をアイシングでとってあげることで修復能力が高まり、症状が緩和されるのです。
ちなみに、アイシングにベストなタイミングは、筋トレの直後です。
10分程度でよいので、氷の入った袋を鍛えた部分にあてておくと、翌日の症状がかなり緩和されますよ!
患部を温めるのは間違い!
太ももの筋トレ直後はアイシングで冷やすのが効果的です。
それは筋肉がもつ熱をとるからです。
ということは、逆に熱を与えたり保温したりするのは間違いということです。
この例でもっとも多い間違いが温泉です。
「激しい運動をしたから温泉で疲れをとりたい」と考える人が多いようですが、筋肉への影響を考えると症状を悪化させるだけなのです(>_<)
筋肉に痛みがある間は、シャワーで軽く汗を流す程度にとどめるようにしましょう。
ストレッチはどうなの?
筋トレの翌日にストレッチで体をほぐすと良いとよく言われますよね。
これは本当です。
(ジワ~と伸ばすようなストレッチにしてください)
ストレッチをすることで血行がよくなり、ダメージをうけた筋繊維の修復が早まります。
ただし、これは筋肉痛であった場合の話です。
もしも肉離れや筋断裂であった場合は、患部をなるべく動かさないようにすることが必須です。
例え軽いストレッチであっても、肉離れや筋断裂の時に負荷を与えるような行為は症状を悪化させるだけです。
前述のように筋肉痛以外の原因による痛みだと思われる場合は、ストレッチは控えるようにしてください。
まとめ
筋トレによって痛みが出た場合、その程度や痛みが出るタイミング、さらに痛みがとれるまでの期間によって、筋肉痛、肉離れ、筋断裂と症状が変わってきます。
また、骨折の可能性もあります。
こうしたケガを予防するには、筋トレ前にしっかりと準備運動をすること、そして筋トレの負荷を無理のない範囲に設定することです。
さらに、痛みがある間は筋トレを控えるようにするのも大事なことです。
太ももの筋肉を痛めると完治まで長引くことが多いので、無理をしない程度で筋トレを行ってくださいね!